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2011年08月30日

被災地へ~その2~☆

こんにちは。さよちゃんです。

前回の記事の続きです。
被災地での活動初日の夜、就寝しようとしたそのとき…

ガタガタ… ガタガタ… ガタガタ…

地震です。

揺れがとても大きく感じられたので、飛び起きました。
すぐに逃げられる格好で寝ていたのですが、周りは静か。避難せずにすみました。

現地では余震がずっと続いているそうです。
震災から5ヶ月以上経っても、地震の恐怖と闘わければならないなんて…

現地にボランティアとして参加する場合にも覚悟が必要です。
事前に災害ボランティア保険に入り、家族にも万一の場合の対応について話をしてから出かけました。

その夜は不安でしばらく寝付けませんでしたが、気付いたら朝を迎えていました。




早朝、活動を共にしている先生と海岸を散歩しました。
民宿のある浪板海岸は、震災さえなければ観光地として賑わう場所です。

前夜の地震のせいか、少し波立っていました。
なんだか海が寂しそうにも見えます。人がいないからでしょうか。

被災地へ~その2~☆

被災地へ~その2~☆


2日目の学習支援ボランティアは、朝8時スタート!
午前中は4時間指導しました。

朝8:00~1年生、9:00~2年生、10:00~12:00は3年生と結構ハードでしたが、前日のミーティングの効果があったのか、先生方にも余裕が感じられました。

専門外の教科を指導する際にも、「生徒と一緒に考えたり調べたりする過程が大事。それでもわからない場合は他の先生に聞く。」という事前の打ち合わせ通り、それぞれの得意分野とチームワークを活かした指導ができました。
「昨日と全然違います!とても楽です!!」と顔を輝かせている先生も。


そんな私達の姿を見て、生徒たちにも変化が。
どちらかというと、それまで控えめにしていた生徒たちが、積極的に質問してくれるようになりました。

野球部員らしき男子生徒は、
「だめっス。全然わからないっス。」と言っていたのに、しばらくすると…

男子生徒「わかると面白いっスね。」
私   「そうでしょう!君は理解力があるね。」
男子生徒「そうっスか~?笑」
私   「そうだよ。すごいよ。」

そのあと、やりとりを聞いていた近くの友人に「どうよ~」という自信たっぷりな顔で話しかけていました。かわいいですね。


現地の子どもたちは元気です。笑顔も見せてくれます。
まるで周囲の大人たちを気遣うかのように、明るく振舞っています。

現地入りする前は、「生徒たちにどんな言葉をかけてあげたらいいのだろう…」と考えていましたが、「慰めの言葉よりも、活動する中でのふれあいを大事にしたい」と思うようになって、そういう気持ちは自然と相手にも伝わるんだということを実感しました。



私たちが学習指導をしている間、吉里吉里中の先生方は職員室でデスクワークをしたり、体育館で部活の指導をしたり、とにかく忙しそうでした。
震災後から休まず働いてきたであろう先生方の中にも、被災された方がいるそうです。

自分や家族の生活を考えながら、生徒さんやその家族のことも心配しなければいけない状況の中、その疲労は想像以上かと思います。

私達ボランティアにまで気を遣わせてはいけないと、気をつけてはいましたが…
お昼になって「そうめん」と「そば」を用意していただいたときは、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

ごちそうさまでした。

被災地へ~その2~☆



午後の学習は「自由参加」になります。
勉強が遅れがちな生徒や、部活がない子、やる気のある子が参加します。
ほぼマンツーマンの状態だったので、生徒とじっくり向き合えました。

私が接した生徒は、1年生から不登校の子でした。
「勉強はやりたくない。全然わからないから。」というので、「好きなことをやっていいよ。」と答えました。

その生徒の横では、友達が漢検の勉強をしています。
たぶん、そばにいたかったのでしょう。

もう一人の先生と一緒に、二人を見守りました。
両隣の部屋では、他の生徒が数名ずつ勉強しています。


「勉強より大事なものがあるよね。あなたたちが無事でよかった。生きていてくれてよかった。亡くなった人の分も生きようね。」

しばらく沈黙が続きました。
静かな時間がゆっくり過ぎていきました。

大槌町は人口1万数千人の町です。
震災で約1400人の死者と行方不明者が出たそうです。



しばらくして、その生徒が震災後の生活や心境について語り始めました。
最初は俯きながら視線を合わせずにしゃべっていましたが、だんだん顔を上げ、一気に話してくれました。
「話したくないことは無理に話さなくていいんだよ。」
と言いましたが、細かく話してくれました。

きっと、今まで誰にも話せずにいたんだと思います。
「みんな苦しい状況にあるので、自分だけ弱音を吐いてはいけない」という思いが、そうさせていたのかもしれません。

その間、私たちはただ頷くしかできませんでしたが、話が終わるころには、「自分はこうしたい。これをやってみたい。」と前向きな発言に変わっていました。

そして、彼女は得意な絵を描いてくれました。
どうもありがとう。



------------被災地へ~その3~☆につづく------------









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